不動産の価格はどのように決まるの?
目次
土地の価格とは?
不動産を売却する場合は価格が気になるものですが、一言で価格といっても多くの価格があるのはご存知でしょうか?
まず、土地の価格にはどんな価格あるのかを知っておきましょう!
土地の売却を検討していると
・いったいいくらで売れるの?
・そもそも自分の土地の相場はどれくらいなの?
・土地の相場はどうやって決まるの?
・土地の相場をはどのように調べるの?
などなどの疑問がでてくると思います。
ここでは、下表にある土地相場の基準となる土地の公的な価格と、相場に影響する特性などの条件の2つの要素をもとに、それぞれの項目の説明と、土地相場がどのように決まるのかを解説していきます。
【路線価】
路線価とは?
「路線価」と聞くと鉄道と関係しているように思いませんか?でも鉄道の路線とはまったく関係ないんです。「路線価」とは、相続税や贈与税を計算するときの基準となっているもので、主要道路に面する標準的な宅地1平方メートルあたりの評価額のことうをいいます。毎年1月1日時点の価格として評価され7~8月頃に国税庁から公表されています。
路線価の種類
「路線価」には、相続税路線価と固定資産税路線価の2種類があり、違いは次のとおりです。
相続税路線価は、国税局(税務署)が決定するもので相続税や贈与税の算出に使われています。一般的に「路線価」は、この相続税路線価を指して使われています。
固定資産税路線価は、 各市町村が決定するものです。固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税の算出に使われています。
目安は「公示価格」の80%
「路線価」は、公示価格・売買実例価額・不動産鑑定士による鑑定評価価額・精通者意見価格をもとに決められています。目安としては概ね公示価格の80%程度です。全国の主要道路で価格が決められていて、まず県庁所在地での最高路線価が決定され、その価格を基に各所の路線価が決めています。
【固定資産税評価額】
固定資産税などの税金を計算する基準となる価格です。市町村では土地や家屋について「固定資 産課税台帳」に価格を登録しており、3年ごとに評価替えが行われています。
【公示価格】
「公示価格」とは?
地価公示法という法律に基づき、都市計画区域内外で設定された公示区域の1月1日時点の正常な価格を調査・公表する制度を「地価公示」といい、この地価公示によって公表される価格のことをいいます。わかりやすく言えば、「公示価格」とは国土交通省の土地鑑定委員会によって決められた標準地の1平方メートル当たりの1月1日時点における価格のことをいいます。これは毎年決められていて3月中旬ごろに発表され、毎年、新聞に掲載されています。新聞でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「公示価格」は市場取引の指標になっています。
土地はそれぞれ面積・形状・利用法が異なっていて、さまざまな事情や動機のもとに市場では土地の取引がされています。そのため、土地の使用目的や取引をする人の事情などが絡み合って価格が左右するものです。もし、何らかの事情で土地を売却することになった場合、相手から提示された価格が自分にとって得なのか、損なのかの判断がつかないのではないでしょうか?そのため、土地取引の際には土地を客観的に判断し、適正な価格を求めるための指標となるのが「公示価格」となります。
【基準地価】
「基準地価」とは?
「基準地価」は、国土利用計画法に基づいて都道府県 がその年の7月1日時点における基準地の1㎡当たりの価格を判定するものです。毎年9月下旬ごろに公表されています。 一般の土地取引のほかに、地方公共団体や民間企業の土地取引の目安として活用もされていて「都道府県調査地価」とも呼ばれています。
基準地価と公示価格の違いは?
基準地価は、国土交通省が実施する「公示価格」とは、手順・評価方法・内容などが似ているのですが、次のような違いがあります。
基準地価 | 公示価格 | |
基準日 | 7月1日 | 1月1日 |
実施機関 | 都道府県 | 国土交通省 |
基づく法律 | 国土利用計画法 | 地価公示法 |
発表日 | 9月下旬 | 3月中旬 |
対象地域 | 都市計画区域内外の住宅地、商業地のほか、工業地、林地なども含む | 都市計画区域内外の住宅地、商業地 |
評価する不動産鑑定士 | 1人以上 | 2人以上 |
基準地価は、1月1日時点で算出される公示価格の半年後に発表されているため、地価の速報値として公示価格を補完する役割もあります 。
【実勢価格】
実勢価格とは、その名の通り、過去の成約事例や現在売り出し中の取引事例の価格のことです。売却する場合に一番重要な指標となります。
なかには長期間売り出されたままの価格もあります。 これらの価格を見極めて失敗しない実勢価格(適正価格)での売却を心がけましょう。